変形性膝関節症(膝が痛い 階段がつらい)

変形性膝関節症(セルフチェック)

 

変形性膝関節症のセルフチェック

 

 

①立ち上がる時に膝が痛い

 

②動き始めに膝が痛い

 

③階段の昇り降りで膝が痛い

 

④正座がやりにくい

 

⑤水がたまってるか(腫れてる)

 

⑥膝を動かす(曲げたり伸ばしたり)といたい

 

⑦歩行困難(歩きにくい)

 

⑧安静時にも痛い(じっとしてる時も痛い)

 

⑨歩くとき膝が安定しない(横揺れ)

 

 

 

 ①②だけ→軽度の変形性膝関節症

 

 ③④⑤もあり→中程度の変形性膝関節症

 

 ⑥~⑨が当てはまる→重症の変形性膝関節症 

   の可能性があります

 

 

 軽度の時は軟骨が少し減ってるだけなので症状の軽く、

 中程度になると軟骨の損傷も増え半月板も痛み膝が更に狭くなり 完全に曲げにくくなり③④⑤の症状が出てきます

 

 重度になると軟骨や半月板はほとんどすり減って消失してしまい、骨と骨が直接ぶつかるため症状も強くなり⑥~⑨に症状が出ます 

 

 

 

変形性膝関節症の悪循環

 

 膝が痛い→動きたくない→運動不足、筋力低下(肥満)→更に膝が痛くなる

            ↓

           悪循環

 

 

 痛みが取れる→動ける→筋力アップ、体重改善→膝の負担軽減→更に良くなる

            ↓

           好循環

  

痛いため動きたくなくなり運動不足になります(膝を支える筋力低下)

しかし食べる量は変わらず、動けないとやることがないからつい食べてしまいます

そして体重が増え更に膝の負担が増えて行きます 

 膝の痛いときは痛みを薬や湿布などで改善しつつ痛くても動くことも大切です

 

 

   

 

原因

 膝の軟骨が減ることにより変形性膝関節症になりますが、なぜ減ってしまうのでしょう

変形性膝関節症の原因

①年齢

②筋力低下 → 運動不足で筋力が低下すると膝を支える力が弱くなり軟骨が減少します

③体重増加 → 膝は体重の3倍の負担がかかると言われており

体重50kgなら膝には150kgの負担がかかります

④閉経  → 女性ホルモン(エストロゲン)は軟骨、筋肉を保持する作用がありますが

これがなくなると軟骨、筋肉ともに減少します

 

症状

 最初にセルフチェックでも記載しましたが良くある症状は

☑ 立ったり座ったりすると痛い
☑ 階段で痛い(特に下りがいたい)
☑ 歩くと痛い(特に長距離が痛くなってくる)
☑ 膝が重い(疲れる)
☑ 膝が曲がりにくい(特に正座が出来ない 法事のあとからひどくなった)
☑ 膝の水、膝のはれ(腫れ)

痛みや動きに関する症状が多いですが、日常生活にも不便を感じることが多いです。

▶ 膝の水、膝のはれ(腫れ)について
「先生、水がたまってない?」とよく聞かれます。実は正常な状態や若い人でもある程度の水は存在します。
膝の水は軟骨に栄養を与えたり、潤滑油の役割をするなど、膝の圧力を分散し膝の負担を減らす役目があります。

水がたまるとはこの水が増えすぎてしまう状態なのです。

ではなぜ水は増えすぎてしまうのでしょうか?

そもそもお水は、関節の滑膜という場所で作られます。そして軟骨などに栄養を届けます。
軟骨から老廃物を受け取りもと居た滑膜に帰ります。

ところが変形がすすめば滑膜で炎症が起き水を作りすぎてしまいます。
そうなると水の吸収が追い付かなくなり、水がどんどんたまっていきます。

水がたまった状態とは水を作りすぎてしまった結果なのです。

水がたまるとお皿(膝蓋骨)の上にたまることが多く、その部分がはれる(腫れ)ことが多いです。
膝に水がたまると膝が重い(時に疲労感)と感じることがあります。

水を抜くとクセになるとよく言われますが、これは水を抜いても水を作る炎症が残っているので水はどんどん作られます。

するとスグにまたたまってしまい、また抜くという連鎖になっているからです。
(しかし症状がきつい患者さんは水を抜くと楽になるのでたまり過ぎてるときは抜くこともあります)

よって水を抜くことが問題ではなく、炎症をそのままにしておくのが問題です。
続きは「変形性膝関節症の治療」で記載します。

検査

▶ レントゲン撮影
膝と膝のすき間がせまくなっているか確認します。

他にも骨のトゲ(骨棘)、骨の白さ(骨硬化)を確認し、進行具合を判断します。

・骨のトゲ(骨棘)
これは軟骨が減ってきたため身体が軟骨面を増やそうとし関節の端がとがってきます。この状態を骨棘といいます。トゲ自体は悪いものではないですが。
少し進行してきたら出てきます。

・骨の白さ(骨硬化)
これは関節面に負担がかかり骨が頑張って強くなろうとして反応し白くうつります

 

治療

 軽度~重度まで患者さんの状態に応じた治療が必要です 

 軽度の場合 → 湿布、内服(飲み薬)などで行います 

 中程度の場合→湿布内服、注射(ヒアルロン酸)外固定(サポーター)リハビリなど

 重症の場合 → 中程度の治療ををより強化する必要があります 

すでにこれ等をやったがダメだった場合は別の薬、別の湿布や注射、サポーターなど色々提案させて頂きます

内服(痛み止め)

薬には多くの種類があり効果が強いが胃腸に良くないもの、胃には優しいが効果の弱い物、肝臓に弱い物、など軽い人には無理に処方しませんが重症になるとさすがに処方しないと無理があることもあります

もちろん、注射が苦手な患者さんには注射をしない治療を内科で薬をたくさんもらってこれ以上薬はちょっと。。。と思うなら相談ください。

なるべく患者さんの希望に応じた治療を選択したいと考えています

外用剤 (湿布、塗り薬)

湿布は多くの種類があります あの湿布はだめだったがこの湿布は効いたやこの湿布はかぶれるなど患者さんによります なるべく会う湿布を一緒に見つけましょう

湿布が苦手な場合は塗り薬もあります とくにかぶれ易い人はお勧めです

 

 

 

 

サポーターや足底版(かかとの裏にあてるクッション)なども時に併用します。(薬局で売ってる保温サポーターはあまり安定感がないので今持ってるサポーターなどで満足出来てない時は相談してください)

▶ サポーターについて 不安定性による痛みを改善させる効果

階段や立ったりすわったりした時の痛みは膝の不安定性による時もあります。

先にも述べましたが 膝のスジ(靭帯)がゆるんでるため、歩いてる時に膝が外側にズレてしまいます(左右のズレによる痛み)。
これを横ブレ(スラスト)現象と呼びます。直接軟骨が削れるだけでなく、左右にズレるためさらに痛みます。

この現象は重症になるほど多くみられるため 進行するとこのズレによる痛みも加わり痛みが増してくることがあります。

このようなズレのある方はサポーターで安定させると症状の改善が期待できます。
(できるだけ 固定力のあるサポーターが効果的です。たまに伸び切ったサポーターしてる患者さんがみえますが交換を望ましいです。支柱のついてるサポーターもあります)

当院では実際にサポーターを使用してもらい、よさそうな患者さんに処方します。

つけても変わらなかったり、サポーター自体が合わない方もみえます。
その様な患者さんには別のやり方を提案します。

 

足底版 足の裏に板をひいて膝の内側に集中する負担を外側に分散させます

 

▶ ヒアルロン酸
最近よく聞くヒアルロン酸ですがどんな物なのでしょうか?
ヒアルロン酸はもともと皮膚や関節に含まれる物質でその特徴は、保水力です。
ヒアルロン酸には、軟骨を保護し炎症を取る効果や軟骨の破壊を防ぐ働きがあるといわれています。

この注射を、効果を確認しながら行い、効果がみられるようになったら、徐々に注射をする間隔をあけて行きます。
症状をしっかりと確認しながら継続して行うことが大切です。

リハビリ

 筋力低下は更に変形を悪化させるだけでなくロコモなども引き起こすため

変形性膝関節症においてリハビリは重要です 当院は専門の理学療法士が在籍しており個々の患者さんの状態に応じたリハビリを行わさせて頂きます

 

▶ 自宅での運動療法

散歩も有効な運動の一つです。いきなり長時間歩こうとしても長続きしませんのでできる範囲の時間から開始し慣れて来たら徐々に時間を増やしてください 坂道など散歩コースにいれるのも効果的です

自宅での日々のリハビリも大切です 

下記の運動をご自身で行っていただくと効果的です。

 

・SLR運動
膝を伸ばしたまま10cmほど足を上げて、写真の状態にして 3-5秒止めます。
(※この時、足首を直角にするのがポイントです)

再び足を下げて3-5秒休みます

これをらを、10回繰り返し、1日 2-3回行います。

運動療法は継続して行うことが大切です。

気楽にテレビでもみながら日常生活の中に取り入れてみてください。

継続して行えば、安定感が膝に出てきます。
なお正しく行えてるかの確認も含め 膝の痛みを感じたら遠慮なく受診してください。