手足のしびれ(痛み)

腰部脊柱管狭窄症(高齢者が足のしびれ 前ほど歩けなくなった)

Contents

腰部脊柱管狭窄症とは

神経の通路が狭くなり神経が圧迫され脚のしびれや痛みが出現。
※脚(お尻~足)のしびれか痛みは必ず発症する。
これを腰部脊柱管狭窄症といいます。

セルフチェック

  • お尻のあたりから膝や足にかけて痛み、しびれがある
  • 歩くと足のしびれや痛みが悪化(長い間歩けない)
  • スーパーのカートがあれば楽(腰をかがめると楽)
  • 歩くと症状が悪化し腰を曲げて休むと楽になる(間欠性歩行)→7割の人に出現
  • 自転車なら楽(自転車にのると腰は自然に曲がる)

これらは脊柱管狭窄症の特徴的症状で当てはまるものが多いなら可能性があります。
腰を曲げると狭くなった脊柱管が広がるため症状が緩和。

原因

狭窄の原因は骨の変形や靭帯(じんたい)の肥大。
加齢により骨は変形していきますが、加齢だけでなく腰に負担のかかる仕事をしていた人も変形しやすく腰部脊柱管狭窄症を引き起こします。

実は脊柱管狭窄症には3パターンある

馬尾型と神経根型と混合型(馬尾型と神経根型両方あり)
神経がどこで圧迫されてるかで分類します。

  1. 神経根型:神経の出口だけで圧迫されている
  2. 馬尾型:広範囲に神経が圧迫されている
  3. 混合型:1と2が両方ある

しびれの特徴

  1. 神経根型:片足の症状、症状は痛みがメイン
  2. 馬尾型:両足の症状、症状はしびれがメイン
  3. 混合型:両足の症状、症状は痛みとしびれ両方

馬尾型や混合型は悪化していくが、神経根型は悪化しにくいが痛みが強く自然治癒(数年以内)も多い。いずれにせよ脚のしびれが1~2週間継続する場合は早めの受診を勧めます。特に馬尾は排尿に影響するため早めの受診を勧めます。

血管性(末梢性動脈疾患)を見落とさない

動脈硬化が進行し血管が50%以上狭くなると脊柱管狭窄症と似た症状が出現するため、狭窄症の症状の1~2割は血管が原因の人がおり血管性か狭窄症が区別が必要。

血管性と脊柱管狭窄症の違い

  1. 血管性は立っているだけで症状が改善(狭窄症は腰を曲げないと改善しない)
  2. 自転車を使ってもだめ(狭窄は自転車なら楽)

当院は血管性のABI検査機器(2018年購入)もあり血管性が疑わしい場合は確認しています。糖尿病、喫煙、高血圧、高脂血症があれば血管性になりやすい。
血管性は放置すると脳梗塞や心筋梗塞など命にかかわることがあります。当院からもこの検査で、狭心症や脳梗塞の早期発見になり命を救われている患者さんが毎年います。たまに血管性と脊柱管狭窄症を合併している人も居ます。

治療

まずは病型に応じた薬、それでだめなら点滴や手術を考慮

  1. 投薬
    プロスタグランジンE1製剤 →圧迫されている神経への血流改善、全ての型に使用
    プレガバリン、ミロガバリンベシル酸塩 →馬尾型のしびれに有効
    非ステロイド性消炎鎮痛薬 →神経根型の痛みに有効
    実際はこれらを組み合わせて治療します。プロスタグランジンE1製剤は内服より点滴の方が有効。
  2. リハビリ
    腰や足のストレッチ・筋力強化、血行を良くするためのリハビリテーションを行う運動療法したりします。腰の負担を減らすためストレッチなども行います。腸腰筋は、股関節〜背中に存在する筋肉で体を支える筋肉でインナーマッスルの一つです。この筋肉がかたくなると腰に負担がかかるためその対策などを行います。
  3. 手術
    馬尾型は内服を数か月しても不変なら手術を検討、神経根型は痛みが激しいなら手術を検討。
    手術は原因部位を取り除く除圧術が多く行われます、入院期間も1~2週間が多く事務仕事なら2~3週で復帰、腰に負担がかかる仕事は数か月かかる(これらは個人差や病院により異なる)
    馬尾型は神経が回復しなくなる(特に排尿障害は戻りにくいので早めの手術がいい)のである程度の時期に手術が望ましい。
    神経根型の疼痛は神経ブロックが有効なことも多く手術前に行う価値はあります。

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広報しまんと10月号にて掲載

四万十市の『広報しまんと』2024年10月号にて当院が掲載されております。

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