肩こり

肩こりのセルフチェック

  1. 首~肩の後方全体に肩こり感がる
  2. 頭の後ろが痛い(肩より後頭部が痛い)
  3. 肩こり以外の症状がある(胸が苦しい)
  4. 猫背(背中が丸い)なで肩
  5. 手や腕にしびれがある、肩に強い痛みがある、何もしてないのに痛む

①の場合はよくある肩こりで僧帽筋などが原因になっています。

②の場合は後頭下筋群(こうとうかきんぐん)が原因になっており首コリとも呼ばれています。
後頭部が原因なので頭痛や首の後ろの違和感だけでなく首の動きも悪くなります。スマホ、パソコンを長時間行ったり、悪い姿勢で行う(テレビを寝転がってみる)と後頭下筋群に負担がかかり発症しやすくなります。
この筋肉は深い所に存在しており通常のマッサージでは力が到達しにい傾向にあります。

③は狭心症など他の病気が隠れている可能性があります。特に左側は要注意です。

こんな時は要注意

  •  階段を登ると肩が痛くなる…狭心症など心疾患(至急内科の病院に行きましょう)
  • 安静時や首や肩を使ってないのに痛い…内科的疾患が隠れているときがありあます
  • 徐々に悪化している…これも内科的疾患によることがあります

④肩こりの対策で姿勢が重要と言われていますが、最も肩こりになりやすい姿勢が猫背と言われています。ただし単に背中を反ったり、胸を張っただけでは逆に肩こりが悪化することがあるので注意が必要です。
首は頭の重さだけでなく腕の重力もあり負担は集中します、猫背、なで肩の人はさらに負担がかかりやすく肩こりになりやすいといわれています。

⑤の場合は単なる肩こりでない可能性もあります、早めに受診してください。

運動不足による筋力低下はこれらの負担に耐えられず肩こりになります、これらの場合はリハビリによるストレッチや筋力回復が大切です。また僧帽筋は大きいため肩こりの範囲も広範囲に発症します。

Contents

肩こりの原因

腕は、肩の周りの筋肉(三角筋、僧帽筋など)に支えられています。肩の筋肉は、腕の重さが常時かかっておりその負担は大きいため、肩こり発生します。女性は男性よりも筋肉が少ないため肩こりになりやすいと言われています。
首に負担のかかる仕事、長時間のパソコンやスマホ、エアコンで冷える、ストレスなどが原因になります。
それ以外にも整形疾患による肩こりや整形疾患以外による肩こりがあります。

  • 整形的疾患による肩こり
    頚椎症(けいついしょう)、椎間板(ついかんばん)ヘルニア、変形性頚椎症、後縦靭帯骨化症(こうじゅうじんたいこっか)だけでなく肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)で発症することもあります。
    整形外科では肩こりだけでなくこれらの疾患も併せて治療します。
  • 整形外科疾患以外による肩こり
    心臓など内科的疾患、頭の疾患、歯のかみ合わせや耳鼻科疾患で肩こりになることも、
    眼科的疾患(近視、白内障、老眼)により眼精疲労になると目を近づけて無理な姿勢になることが多いため肩がこります。
    ストレスがかかった時にストレスが肩こりを引き起こすこともあります。
  • 本態性肩こり(原因不明の肩こり)
    仕事や家事の姿勢が悪いと筋肉が短縮し筋肉の血流を妨げ筋肉が栄養不足になり発症しているのかもしれません。

診断

問診や肩や後頚部の筋の圧痛や硬さ、肩や頚の動きやX線(レントゲン)などを行いますが、経過によりMRIなども考慮します。

こんなときは要注意!
□ 階段を登ると肩が痛くなる…狭心症など心疾患(至急内科の病院に行きましょう)
□ 安静時や首や肩を使ってないのに痛い…内科的疾患が隠れているときがありあます
□ 徐々に悪化している…これも内科的疾患によることがあります

予防

肩こりは日頃の予防を継続することが重要。

自分で出来る肩こりの予防

  • 長時間の同じ姿勢は避ける。特にテレビ、パソコン、スマホ
    ショルダーバッグは片方だけで使用すると負担が集中します、両肩で背負う方が負担は減少します。枕の高さが原因のことも寝返りしやすい枕がお勧めです。
  • 肩を温める 血流を改善し筋肉の疲労を取り除く。(入浴、温かいシャワーなど)
    慢性(経過の長い)の肩こりは温めるといい、ただしカイロは低温やけどに注意を貼るタイプは危険などで控える。
  • 適度な運動で筋力をつける。体操やストレッチを行う
    痛みを感じない程度に行い継続することが大事です。
    運動やストレッチ温熱は当院のリハビリでも行っています、筋力がつけば肩こりになりなりにくい肩に変わっていきます。

肩こりの治療

症状により内服、湿布、リハビリなど組み合わせ適切な治療を行います。

検査で何らかの疾患が発見されたらその原因疾患の治療をおこないます。
特に問題ない場合は自分で上記予防を行い病院では、首が原因の肩こりに対し機械で首を引く牽引(けんいん)療法、首や肩に超短波を当てる物理療法などによるマッサージ効果で血流を改善、リハビリによる運動療法(筋力強化やストレッチ)、薬物療法(内服(飲み薬)、シップ薬、局所注射など)を行います。

肩こりの注射について
肩こりが強い場所やその周辺に、注射を行います。
注射の内容はステロイドや麻酔薬を使用、痛みやこりをとる治療法です。
効果は一時的のことがありますが、いったん 症状がとれるので、後述の肩こりの悪循環を断ち切ることが出来れば大きい効果を発揮します。

薬について詳しく

  • 非ステロイド性消炎鎮痛薬
    いわゆる痛み止めで医者はNSAID(エヌセイド)と呼んでいます。
    特に発症初期の痛みに対して効果を出します。NSAIDには飲み薬や湿布、坐薬などがあります(実は湿布の多くは痛み止めです)。
  • ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液製剤(ノイロトロピン)
    NSAIDとは別の鎮痛薬であり痛みを制御している神経に作用し、血流を改善し効果を出します。NSAIDで起こりがちな胃腸の副作用が少なく飲み薬と注射があります。
  • 筋弛緩(しかん)剤
    筋肉の緊張を抑える薬で飲み薬です。
  • 漢方
    肩凝りに対して漢方が有効なため使用することがあります。
    肩こりに気付いてから治りにくくなった人はいませんか?
    これは肩こりで筋肉が緊張して硬くなると筋肉の内部で血管が流れにくくなります。
    すると本来血液が持っていく痛みを引き起こす疲労物質を運び出すことが出来ないため疲労物質がどんどん溜まって行きます。
    それにより更に痛みが増え筋肉が硬くなる、という悪循環に陥るのです。
    こうなると過敏になるため治りにくくなります。

痛み止めなどは単に痛みを止めるだけでなくこの悪循環を止める作用もあるため必要に応じて使用しましょう。

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広報しまんと10月号にて掲載

四万十市の『広報しまんと』2024年10月号にて当院が掲載されております。

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