ケガ

半月板損傷 (スポーツで膝を痛めた)

半月板は膝にある軟骨様の組織でクッションや膝の安定に役立っている。
若い人はスポーツで発症、中高年は半月板が劣化しており軽い衝撃で発症。
劣化は40代から少しずつ始まっている。(私も始まっています)
50歳以上の女性がパキッという音と共に膝の裏側が痛くなった場合、内側半月板後節断裂の可能性があり放置すると壊死や変形になるため手術が必要になることが多い。

Contents

半月板とは?

半月版は膝になる軟骨に近い組織で、膝の負担を緩和するクッションの役目を行っている。膝の安定にも一役買っています。

半月板は内側と外側にそれぞれ1枚ずつ合計2枚存在します。
スムーズに膝が動くように真ん中は薄く周りは厚くできています。

■半月板の損傷(ケガによる損傷)は後ろ側が多い
膝のケガをするときは膝が少し曲がった姿勢でケガをしてしまします。
その時やや後ろが最も外力を受ける位置にあるため後方の半月板損傷が多いです。

■半月板の血流
半月板は端の部分は血流が多く回復力がありますが、中央部分は血流が悪く回復しにくい傾向にあります。そのため中央の損傷は縫合しても治りが悪い。

原因

若い人はケガで発症、中年以上は半月板が変性(劣化)しており軽い衝撃で発症する。

  • 変性
    繰り返しの負担(肥満や加齢)などで長期間負担がかかるとまず半月板の中に小さなひび割れが生じていきます。時間の経過と共に少しずつ大きくなっていきます。
  • 外傷性
    スポーツ中に膝に大きな外力を受けることで発症します。
  • その他
    円盤状半月などでは誘因がなくても損傷する。

症状

膝が痛い、膝が伸びない、膝が引っかかる、水がたまる。
痛みは安静時はなく、動くと痛い(特に階段)時にゴキっと音がする。

半月板の破片が関節に挟まったら急に膝が動かなくなる。(ロッキング)
この時、激痛が伴うことが多くかなり大変です。
膝を曲げ伸ばしたり、体重をかけたときに痛みが生じるようになります。

検査

レントゲンでは半月板損傷はわからないためMRIで確認。
圧痛、マックマレーテスト、過伸展テスト、病歴などから半月板損傷の可能性を確認してからMRIを行います。

治療

半月板損傷の治療方法は、保存療法(手術しない方法)と手術療法に分けられます。

  • 保存療法
    早期は、消炎鎮痛剤やテーピング、サポーターなどで、膝の安静を保ちます。これらの保存療法で、症状が改善することもあります。
  • 手術療法
    手術療法では、半月板縫合術か半月板切除術のどちらかかが行われています。
    手術の方法は、半月板の手術は損部位程度(重症か軽症か)、合併損傷(膝の他の靭帯などの損傷)の有無によっても治療がかわってきますので一概にいえませんが。①「縫合術」(半月板を縫う手術)
    長所→比較的激しい運動も可能、半月板が残る。
    短所→復帰までの時間が長い(松葉杖1月、軽い運動まで3か月、完全復帰まで4~6か月)期間は目安で損傷程度や病院により異なります。
    半月板は端は回復力があり、中央に行くほど回復力が低下します。(血流が端にしかないため)
    損傷部位が、端に近いほど縫合(半月板を縫うことが出来ます)。うまくいけば半月板の大きな回復が期待できます。回復を待つ時間が必要なため松葉杖の期間やリハビリ期間が長くなります

    ②「部分切除術」(傷んだ部分を取り除く手術)
    長所→復帰が早い(手術してすぐ歩ける、1週間程度で日常生活可能)
    短所→変形性膝関節症(膝の老化)になりやすい
    損傷部位が中央部分で血流が少なく縫ってもうまくいかない可能性が高いなら、損傷部分を部分切除します。
    回復を待つ必要がないため松葉杖の期間などは短くすみますが、切除する分だけ半月板を失うため機能が低下し将来変形性膝関節の可能性が上がります

  • 予防方法
    予防としては、膝周りの筋のストレッチ・増強訓練を行い、半月板にかかる負担を軽減します。
    スポーツ選手の場合は、膝の捻りを防ぐことが重要で、全身のバランストレーニングなどを行います。

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広報しまんと10月号にて掲載

四万十市の『広報しまんと』2024年10月号にて当院が掲載されております。

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