ケガ

腰椎圧迫骨折(高齢者が転倒し腰が痛い)

  1. 高齢者が転んでから腰を痛がってる(激痛)
  2. 高齢者が寝たら起き上がりが辛い(トイレに行くのも苦痛)
  3. 高齢者がケガしてから痛みが何となく治らない(動くと腰が痛い)
  4. 腰が丸くなった、身長が低くなった(多数の圧迫骨折により腰が曲がってくる)
  5. 高い所の物が取りにくくなった

高齢の患者さんが転倒(尻もち)のあとから腰を激しく痛がっている場合は腰の骨折(圧迫骨折)の可能性が高く、中には骨粗鬆症が進行し咳、くしゃみで骨折する人も居ます。
圧迫という名前の通り骨が缶ビールのアルミ缶ををつぶすようにクシャっと潰れてしまいます。

中にはケガしてすぐは痛みが軽度であり数日後に腰痛が悪化したり、痛みに鈍く「これくらいでは病院に行かなくてもいい」と油断し発見が遅れる時もありますが発見が遅れると骨折が治らないこともあるので早期受診を心がけてください。

Contents

診断

レントゲンで骨折を確認、はっきりしない場合はMRIなどで精査。

■レントゲン
骨折の有無をレントゲンで確認します。(過去のレントゲンがあれば比較すると分かりやすい)

■MRI.CT
レントゲンだけでは診断困難な場合も多くその場合はMRIなどで精密検査を行い骨折のと部位を有無をしっかり確認します。

治療

コルセットによる外固定。症状に応じて薬(痛み止め)を併用

■コルセット作成(取り外し可能です)
圧迫骨折で最重要な治療はコルセットの作成です。コルセットを装着すると痛みが軽減し症状が改善するだけでなく骨折の安定にも活躍します。間違えた部位用のコルセットを作成しても治療効果が得られないためMRIなど併用し正確に骨折部位の判断を行います。

■よくある質問(下記は主な場合で症状により異なりますので主治医に確認を)

  1. お風呂ははいれますか?
    →コルセットを外して入れます
  2. 夜間はコルセット外していい?
    →夜間トイレに行くとき装着が大変なのでコルセットを緩めにしておきトイレに行くとき締め直してください
  3. いつまでコルセット装着?
    →6~8週間で外す方が多いです(個人差あり)

■内服、外用(湿布など)
発症初期や疼痛により処方します。(痛みが減れば減薬します)

手術

骨折が治らない、骨折の形態により手術が必要なことがある。

  • 骨折が治らない
    →まれに骨折は骨折が治らないことがあります(偽関節、遷延治癒といいます)そのままでは治らないことが多く腰痛も残るため手術を考慮します。
  • 破裂骨折(バースト骨折)
    →骨片が脊柱管内に飛び出して神経を損傷し下肢の麻痺など発症した場合などは手術が必要となることがあります。

骨折と認知症や老化

以前は骨折した場合は入院安静で寝たままで治療していましたが、これは筋力低下(老化)を招くだけでなく入院という環境の変化で認知症を発症することもあり、それでは骨折が治っても認知症になって退院しては本人はもとより残された家族の負担は甚大ですそうならないように現在では積極的に動いてもらうよう心がけています。

骨折と骨粗鬆症

骨折だけ治療しても骨粗鬆症の治療をしないと何度も骨折します。
骨折の原因であり骨粗鬆症を治療しないと何度も骨折を繰り返します。
骨粗鬆症の治療も進歩しており、また骨折してから嘆くより骨粗鬆症自体の治療も大切です。
治療目標は強い骨を作り寝たきりにならないこと。
圧迫骨折が治り痛みが取れたからといって骨粗鬆症の治療をさぼると骨粗鬆症が進行していきます。
やがて転倒したとき恐ろしい大腿骨頸部骨折を起こします。この骨折になるとかなりの高確率で手術が必要になり、歩行レベルも落ちます。普通に歩けていた人は杖が必要に杖だった人は車いすになったりと寝たきりになりやすい骨折です。1年後の死亡率は心筋梗塞より大腿骨頸部骨折の方が悪いというデーターも発表されていますそうならないようにしっかり骨粗鬆症の治療を行う将来に備えましょう!

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広報しまんと10月号にて掲載

四万十市の『広報しまんと』2024年10月号にて当院が掲載されております。

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