肩
腱板損傷 (断裂) (肩のスジが切れた)
腱板断裂セルフチェック
腱板とは肩を動かす筋肉、そこが損傷すると腱板断裂になります。
切れる原因はケガ、加齢などですが切れると以下の症状が出るため確認しましょう。
- 肩を強打し腕が上がらなくなった
- 肩がゴリゴリする
- 漫然と肩が痛い(60歳以上の方)
- 腕を上げるとき肩に力が入らない(60歳以上の方)
- 農業、漁業、大工など肩を酷使してた
これらは多くみられる症状あり思い当たる事項が多い時や、腱板断裂は60歳以上の方の25%に存在しており、無症状のことも多く気になる場合は早めに受診してください。
五十肩と違うところは、動く範囲が狭くなるところが違います。
腱板断裂 →肩は動かせる 五十肩 →肩の動く範囲が狭くなる
また五十肩にくらべ自然治癒は難しいです。
五十肩はこちらをクリック →肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
その他の肩の疾患はこちらをクリック →肩の代表的な疾患
Contents
腱板とは
腱板とは肩の周囲にある4つの筋肉です。(腱板とは肩の周りの筋肉の一部)
この腱板は骨と骨(肩峰と上腕骨頭)にはさまれた狭い部分に存在するので、長年使っていると(年をとると)すり減ってくる。
最終的に切れてしまう状態が腱板断裂です。
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すると「肩が痛い」「肩が動かしにくい」などの症状が現れます。
4つの筋肉のうち、棘上筋(きょくじょうきん)が切れる頻度が高いです。
夜間、肩の痛みで寝れなくなり多くの方がこの頃受診します。
腕を上げるとき力が入らない、ゴリゴリ音がするころもあります。
動かしても痛いですが、なんとか肩は動かせます。
腱板断裂の原因
①加齢、②肩の使いすぎ、③ケガ、④体質が原因です
中年以降の男性の右肩に多いので長年の使いすぎが一因と推測されます
①加齢
腱板自体の劣化+腱板の通り道が狭くなる
腱板自体の劣化(切れやすくなる)
腱板自体のコラーゲンが減り(劣化したゴムの様になり)切れやすくなります。
腱板の通り道が狭くなる(摩擦が増加)
加齢により、腱板の通り道も狭くなります。
狭くなると腱板が削られて細くなり容易に切れやすくなります。
②肩の使いすぎ
手を使う仕事やスポーツをしてきた人は摩耗が増えるため腱板断裂が起こりやすくなります。
③ケガ
肩を負傷し、その衝撃で断裂します。
④体質
加齢やけがなどと関係なく、40代で発症することもあり、体質的な要因もあると考えられています。
断裂型には、完全断裂と不全断裂があります。
完全断裂 →腱板が完全に断裂
部分断裂 →腱板の一部が断裂
若い人は投球により肩の不全断裂を起こすことがあります。
腱板断裂の症状
若い方やケガによる腱板断裂 →痛い、肩の動きも制限
中高年の腱板断裂 →半数が無症状、肩も動くことが多い
無症状の理由
腱板断裂は60歳以上の25%に起きていますが、断裂はゆっくり進行するため炎症も伴わず発痛物質が出にくいため。
腱板が切れても肩が動く理由
中高年の腱板断裂は腱板の一部である棘上筋腱(きょくじょうきんけん)のみの断裂で他の腱板部分や三角筋など周りの筋肉は無事であり、断裂もゆっくり進行するためこの間に周りの筋肉が切れた部分の代わりの機能を習得し肩も動くことが出来ます。
肩の慢性的な痛みは腱板断裂を疑いましょう。
60代以上の人が肩から上腕部にかけて痛みが継続したら、腱板断裂の可能性があるため整形外科を受診してください。
腱板断裂の診察、検査
■診察
・肩が挙上(動かせる)できるか?
・肩を挙上時に肩で軋轢音があるか?
・棘下筋萎縮があるか?
・軋轢音(ゴリゴリ感)や棘下筋萎縮があれば、腱板断裂を疑います。
■検査
・レントゲン
肩の変形や腱板のある部分(肩峰と骨頭の間)の間隔が狭いかを確認します。
・MRI
正常な腱板は黒く写りますが、腱板断裂はⅯRIでは白く写ります。
腱板断裂の治療
若い方で肩をよく使用知る場合はMRIなどで精査し程度に応じて手術も検討します。
中高年では三角巾などで数週間固定します。
断裂部が再接着する訳ではありませんが手術なしで多くは改善していきます。
腱板断裂の治療では、主に薬物療法とリハビリが行われます。
■薬物療法
断裂により炎症がおきます、これが痛みの原因になっているため、炎症止め(痛み止め)の内服や湿布を処方しますが。
長期間就寝中にも痛みがあるときはトラマドールなども考慮します。
■注射
症状によりステロイド剤やヒアルロン酸を注射することがあります。
症状が強い、寝れない →ステロイド+局所麻酔を肩峰下滑液包内に注射
症状が安定・夜間寝れる →ヒアルロン酸の注射
■リハビリ
痛みによって張った筋肉をほぐし、無事に残った腱板や肩周囲の筋肉を鍛えることで肩の動きを回復させます。
ただし、間違えたやり方をすると断裂の悪化を来すことあるので、必ず専門医のもとで行いましょう。
腱板断裂の手術
腱板断裂の手術対象者
リハビリや注射など行っても治らない場合は手術を検討します。
痛みや運動障害が継続する場合は手術を検討します。
・仕事(スポーツ)などで肩を使う・痛みが継続する
・腕に力が入らない(肩が上がりにくい)
いずれの手術も手術を行っただけではよくなりません。
手術のあともリハビリを継続することが大事です。
手術内容
皮膚を切る直視下手術と内視鏡で行う鏡視下手術があります。
鏡視下の方が術後が楽なので鏡視下が最近は増えていますが、断裂の程度が大きく鏡視下では困難なときもあります。
腱板修復術
よく行われる方法です。上腕骨の上部に糸付きのネジを打ち込みます。(これで上腕骨にネジを固定)
そのネジには糸がついており腱板を縫いつける方法。
断裂が大きく腱板の長さが足りないなら、足の筋(大腿筋膜)移植する時もあります。
リバース型人工肩関節置換術
適応
高齢者で腱板修復ができない広範囲断裂
腕を上げる動きの回復に優れた手術と言われています。
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