肩
肩関節周囲炎 (四十肩・五十肩)
セルフチェック
- 肩が痛くて上がらない、衣服の脱ぎ着ができない
- 背中に手を回しにくくなった
- 髪を洗ったり、背中が洗いにくい
- 糖尿病がある
- 最初は痛みが強かったが最近は(痛みは楽になったが)動きにくい
①は関節包や腱板の上にある滑液包に原因があるとに発症します
②③は腱板疎部か上腕二頭筋長頭腱の腱鞘が原因で起こる時の症状でいずれも肩の前側にあるため②③があれば肩の前側が原因の五十肩(四十肩)と推測できます
腱板疎部→肩甲骨の前には上下に棘上筋(上)と肩甲下筋(下)という2つの筋肉があり、その間のスペースのこと
④糖尿病があると肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)になりやすいだけでなく治りにくい
⑤は症状の項目で記載しますが肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)の経過の特徴です
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)はどんな病気?
・肩関節周囲炎の原因
肩関節周囲炎は、いわゆる四十肩、五十肩といわれる病気です。
40~60歳代に多いですが、20~30代の若年層でも発症することもある。
原因ははっきりとはしていませんが、加齢などにより肩の組織がもろくなる、それにも関わらず仕事や運動で肩を使ってしまう、または肩周囲の血行が悪くなることが原因ではないかといわれています。
症状
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)は経過により症状が変化していきます
そのため経過に応じた治療を考える必要があります
- 急性期(発症~2週間以内)
最も痛みが強い時期ですが無理すれば肩は何とか動かせます
痛みが強いため夜間も寝れなかったり肩を動かしてなくても痛いのがこの時期です
この時期は肩の痛みが悪化することは控えましょう - 慢性期 (2週~半年以内)
痛みは軽減していきますが、その代わり肩が動かせなくなってくるのもこの時期です
リハビリが重要な時期となってきます - 回復期 (半年~1年程度 人により2年)
さらに痛みは改善し、肩の動きも回復してくる時期ですが治りが長引いたりすることもありしっかり可動域(動き)を取り戻すためリハビリが重要な時期になります
「肩が痛い」「肩関節の動きが悪くなる」ことが主な症状です。
以下に一つでも当てはまる方は、整形外科の受診をお勧めします。
- 腕が上がりにくくなった
- 腕を挙げたときに痛みを感じる
- 夜中に、肩が痛くて困る(ズキズキとした痛みで寝にくい)
なおこれ以外に肩の痛みについてはこちらをクリック→肩の代表的な疾患
腱板断裂と違うところは、動く範囲が違います。
腱板断裂 →肩は動かせる
五十肩 →肩の動く範囲が狭くなる
腱板断裂はこちらをクリック →腱板損傷
治療
症状で記載した通り時期に応じて治療も異なります。
急性期は痛みを取る、それ以後は動きを戻すが基本です。
- 急性期(発症~2週間以内)の治療
痛みが強いので何とかして痛みを減らすことを第一目標にします。
痛み止め、湿布など使用、時にステロイドなどの注射も検討し痛みを乗り越えます。 - 慢性期や回復期の治療
痛みが改善しますが代わりに動きが悪化してくるため動きを回復する治療を行います。
リハビリで関節の動きを回復させていきますが、場合により関節包にヒアルロン酸の注射を行ったり、関節包にステロイドと局所麻酔薬を注射して縮んだ関節包を膨らませたり時に一部の関節包を破裂し関節くうを広げたりします。
それでも治らない時は超音波で神経を見つけて神経に麻酔をうってから関節を強く動かして関節の動きを獲得するエコーガイド神経ブロック下徒手授動術や内視鏡で肩の内部を確認しながら行う鏡視下関節包切離術が検討されることもあります。
- 肩の動きをよくするリハビリテーション(慢性期~回復期)
理学療法士によるリハビリテーションを行います。肩関節周囲炎になると関節が硬くなります。
そうなると、肩の血行が悪くなり、さらに肩の周辺の筋肉や腱が硬くなるという悪循環になってしまいます。
疼痛の改善には数か月以上かかることも珍しくないのですが、その間動かしてないと関節が硬くなります。
一度硬くなった関節を戻すにはかなり大変ですので、そうならないためにも早めのリハビリが必要です。
理学療法士が個々の患者さんの状態を把握し、痛みの出ない範囲で適切なリハビリテーションを行い、肩の動きをよくすることで、より早期の症状の改善を目指していきます。
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