中高年の膝の痛みに多い原因
痛風 (急に足が痛くて痛くなってきた)
Contents
痛風の応急処置(夜間や休日に痛い)
夜間や休日に痛風発作になった時は、痛み止めと湿布です。
これでしのいでください。なお飲酒は控えましょう。
①まずは下記セルフチェックで確認
②痛み止めを使用
痛み止め(市販のロキソニンなど)を内服
(アレルギーや持病に注意して使用してください)
③痛い部位に湿布
どんな湿布でもいいので痛いところに直接貼る。
➃飲酒は痛みを悪化させるので控える
⑤発作の時は痛風の薬は控える
痛風セルフチェック
ケガもしてないのに、足の痛み(親指の付け根の痛み)足首、膝が急に痛くなったら痛風を疑いましょう。
痛みがなくても次の項目で5つ以上なら痛風の可能性が高くなります。
- 男性である
- 35歳以上である
- 肥満傾向である・運動不足
- 検診で指摘されていた
- アルコールをよく飲む(特にビール)
- 痛風の家系である
- 甘い物が好き・清涼飲料水が多い
- 食事の時間が不規則(夜遅くになりがち)
- カツオ・イワシ(ちりめんじゃこ)・サンマをよく食べる、よく人からもらう(特に佐賀、清水の人)
- ストレスが多い
手の指が赤くはれて痛い場合は爪周囲炎の可能性があります。
ぶつけて足の指が痛いなら足指の骨折の可能性があります。
解説
- 食べすぎ、運動不足、不規則な食生活、ストレスなどで人は肥満になりますが。これらは肥満になるだけでなく尿酸(痛風の原因物質)を増やす作用があります。(尿酸の増加)
- また太るとインスリンというホルモンが増え、腎臓での尿酸の排出を低下させて尿酸値を上げます。(尿酸の排出低下)
1により尿酸が増えるだけでなく、2により尿酸が出せないので痛風を発症しやすくなります。
ビールや紹興酒はプリン体(痛風の原因物質)が多く、尿酸値を上げます。
ただし焼酎、ハイボール、日本酒、ワイン、などはプリン体をほとんど含まないのですがアルコール自体に尿酸を増やしてしまう働きがあるためやはり飲みすぎ注意です。
はじめに
足の痛み(特に足の親指の付け根の痛み)が痛くなったらまず痛風を疑いましょう。
検診で指摘さてれた、親や叔父さんが痛風だった、お酒好き、足が痛くなったらまず痛風を疑いましょう。
痛風は足だけでなく足首の後ろや膝が痛い時もあります。
痛くて仕事に集中ない、寝ないほど痛いと言って受診されます。
ついに来たか!と思い当たるかもしれませんがそれだけではありません。
急に足の痛みや膝が痛くなって来たら要注意です。そのままでは痛みは治りにくいので早めに受診してください。
私も痛風家系であり真面目に痛風の薬を内服し食事に気をつけてる一人です。
なので皆さんの気持ちはわかります。
このイラストの様に足痛み(特に足の親指の付け根)が痛くなることが多く、赤く腫れて来ます。
湿布は足の痛い所に直接貼ってください。(このイラストなら赤い部分に湿布を張る)
何で痛風になるの?
- 尿酸(痛風の原因物質)は血液に溶けにくいためたまり過ぎると結晶となります。この結晶が炎症を誘発すると激痛を生じます。約90%が男性です。
- 特に痛風の家系、検診などで尿酸が高い、お酒(特にビール)が好き、うまいカツオで一杯やるのが最高(サンマなど)な人、中年の男性、さらにメタボ…などはやばいです。
- 痛風は基本的に食事や飲酒が原因で起こることもありますが、たまに腎不全、内服薬(利尿剤やドパミン)、血液疾患などが原因の場合もあります。
この場合は痛風の治療だけでなく、これらに対する治療も必要です。
痛風の症状
とにかく痛い!足が痛い。
- 痛み出してから24時間以内に痛みはピークになりかなり痛いです、それが1週間程度継続します。(痛風発作の時期)
- 痛風発作は足痛み、特に母趾(足の親指)の付け根ですが有名ですが、足関節(足首)や膝関節、アキレス腱などに来るときもあります。
痛風の診断
- 関節の水を抜いて尿酸結晶が出れば確定しますが、ただでさえ痛い足の関節の水を抜くのは苦痛も大きく、採血や所見などなどで総合的に診断します。
- なお痛いときの尿酸値は45%正常に出るともいわれており、むしろ普段より低くなっている事のあるため何回か検査して確認する必要があります。
治療
とにかくこの痛みをなんとかしてくれ!とよく言われます。
- まさにその通りです、まずは注射(なるべく痛くない様に工夫しています)、飲み薬、湿布などでまずは痛みを引かせましょう。
注射はステロイドと局所麻酔薬を使用します、関節の構造を熟知し、関節注射に習熟している整形外科医ならではの技ではないでしょうか。 - 注射は1回では治り切らないひともいるため、その場合は何度か行い早期に痛みを取ることに努めています。
- なお痛風の発作時は、尿酸を下げる薬をつかうと発作が長引いたり、繰り返すので発作が治ってから使用するようにしましょう。
- しかし痛みがなくなったから終わりではありません。
ここからが本当の痛風の治療の開始です。 - なお夜間や土日などで病院が時間外の時は市販の痛み止めや湿布で対応してください。湿布は痛い所に直接貼ってください。
飲酒は悪化の原因なので控えてください。
お酒について(お酒の工夫)
- 飲酒
皆さん一番これに苦労されます、私も酒は嫌いではない(むしろ好き?)なので酒飲みさんには寛大な整形外科医です。
まずはビールを減らすことから開始しましょう、どうしても減らせないならプリン体カットをお勧めします。
最初はマズイですが皆さんそのうち慣れますよ。
蒸留酒(焼酎、ウイスキー)などはプリン体(尿酸の原因物質)が、ほとんど入っていませんのでビールからこれらに変更も一案です、ただしアルコール自体がプリン体の濃度を上げてしまうため飲みすぎは不可です。
飲みすぎは痛風だけでなく肝臓にも負担がかかり食道癌、膵臓癌などの危険もふえます。長生きのために家族のために程々にしましょう。 - 余談
酒を飲むと顔が赤くなる人が居ますよね。
その様な人は飲酒で食道癌になる確率が10倍高いともいわれています。
私も赤くなるため若い頃の1/5に減らしました…けど最近はそれで満足しています、健康第一ですね。 - アルコールが体内で分解されるとアセトアルデヒドが出来ます。
これが腎臓からの尿酸排泄を邪魔します、またアルコールの飲みすぎは、高エネルギーとなり、太ります。 - 適量
一日の適量はビールは小1本程度、日本酒なら一合、ウイスキーならシングル2杯程度、ワインなら200CCのいずれかになるべく抑えましょう。
食事療法(痛風患者さんの食べ物)
- 食生活の改善が一番大事です。
いわし(ちりめんじゃこ)やサンマ、カツオなども多く含まれています。
高知はカツオが最高にうまいですね。食べてもいいですが食べすぎには注意、旨味あふれるダシ汁、ラーメンなどの汁、カツオや鳥ガラ、豚骨などを使用したダシ汁はうまいですね、私も大好きですがこれらもプリン体が多いため気をつけましょう。 - 飲水(水分摂取)
尿酸は水に溶けにくく、排泄しにくいため食事で制限も大事です。
(水に溶けにくいのでしっかり水分を取ることも大事です、目安は1日2リットルただしジュースなど甘い物ではなく水やお茶などにしましょう) - 果物の甘みの成分の果糖は尿酸の産制を促進するため注意しましょう。
砂糖にも一部に果糖が含まれますのでこれらの食べ物には注意しましょう。 - 野菜をしっかり取りましょう。
野菜はアルカリ性食品です。アルカリ性食品を取ると尿はアルカリ性の尿になります。
尿酸は、アルカリ性によく溶けるため尿をアルカリ性にすると効率よく尿酸の排泄ができます。またこれは痛風結石の予防にもなります。
私も毎日自作の野菜ジュースを作り飲んでいます、そのためフジ、サニーマート、マルナカなどに出没します。
みかけたら話しかけてください、うれしいです(笑)
そして多分カートの中には野菜が入っていますよ。 - 塩分に注意。痛風になると、高血圧、高脂血症などを悪化しやすくなりがちです。
血圧を悪化させる塩分は注意しましょう。 - プリン体(尿酸)を減らす調理方法。
プリン体は、水に溶けるので肉や魚は茹で汁を捨てることにより、プリン体を減らせます。またプリン体(尿酸)は内臓に多いため内臓を除くだけでも、プリン体は減少します。 - 以上色々述べましたが全てできる人はなかなか居ません、少しずつ改善していきましょう。
生活習慣はぼちぼち直していきましょう。
内服(薬による治療)
食事やお酒を調節してもなかなか尿酸値が下がらない場合は薬を使用し尿酸をコントロールしないといけません。(尿酸が高いままだと腎臓や血管を破壊していきます→あまりにもコントロールが悪いと最終的に透析になることもあります)
また尿酸が適正にコントロールされているか定期的に血液の検査を行い尿酸値と腎機能などを確認することが必要です。
薬の種類の選択は尿酸値や腎臓や肝臓の機能によって選んで行きます。
痛風の発作がないからと言って薬をサボる方がいますが、薬を中断するとまた再度あの発作に見舞われることも多く何より尿酸が高い状態を放置すると血管を痛めてしまい結果として狭心症や脳梗塞などの原因にもつながって行きます。サボらず継続してください。(私自身も長年痛風の薬は継続しています)
終わりに
痛風は放っておいてなにがいけないのか?発作を繰り返すから?
ならその度に注射すればいいじゃないかという人がたまにいますが
尿酸が高いまま放っておくと腎臓を痛め最悪透析になります、それだけでなく血管も障害していきます。
血管が痛めば脳卒中や心筋梗塞などにつながっていきます。
たかが痛風と油断せずに将来の老後の健康のためにしっかり治療していきましょう。
偽痛風
痛風と紛らわしい疾患に偽痛風(ぎつうふう)があります。
ピロリン酸カルシウムが沈着して発症します、高齢者の比較的おおきな関節(膝が特に多い)に起きます。
熱も出る場合が多く高齢者急に熱を出して膝を動かせないなら疑う必要がありますステロイド薬の注射が良く効きます。
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